シルバニアの人形の新旧について考えてみようと思います。なお、ここで取り上げるのは日本版の子たちのみです。
モノの歴史性を考える手法には様式・形式・型式という3つのやり方があります。
ここでは、様式を組み合わせ、形式を形の変化、型式を型の変化とします。
①様式
組み合わせの変化とはつまりこういうこと。
シルバニアがお好きな方なら、一目瞭然ですよね。
同じ時代に一緒に存在した種族の組み合わせが様式。
例にあげたのはタヌキ・フクロウ(昭和)→シマリス・アライグマ(平成前期)→ラッコ・コアラ(平成後期)→キリン・ペンギン(令和)です。
特徴的な種族なら、いつ頃の子なのかがわかりますね。
※平成前期は1989〜1998、平成中期は1999〜2008、平成後期は2009〜2019としています。
②形式
様式で大雑把に時代を分けることができました。
でも、全時代を通しているクマはどうやって分けましょうか?
カタログを見れば一発ではありますが、あくまでモノから見る変化ということで、次に形の変化に注目します。
形の変化とはこういうこと。
グレークマ(昭和)→クマ(平成前期)→クマ(平成後期)
顔の形が丸くなっているのはよく言われますが、目の位置もだんだんと外側に開いてきているのがわかります。
ほかも見てみましょう。
リス
リス(昭和)→シマリス(平成前期)→くるみリス(平成中期〜後期頃)→くるみリス(令和)
横から見ると鼻の位置がだんだんと上がっているように見えますね。
ウサギ
ブラウンウサギ(昭和)→アイボリーウサギ(平成前期)→わたウサギ(平成中期)→ショコラウサギ(平成後期)
※時期はこの個体の製造時期です
顎周りがふくよかになっているのと、耳が前傾してきているのがわかります。
ウサギはあんまり変わってないように見えるけど、少しずつ変化しているんですね。
これが形の変化。シマリスちゃんとくるみリスちゃんってどっちが古いんだっけ!?ってときに形式の変化を追っていけば新旧がわかるということです。
まあ、カタログ見れば一発なんだけど。
最後が型式についてですが、長くなったので次回に続きます。